機械

クラック

MS201のマフラー交換。

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取り付けボルト穴の間、シリンダーからの排気がまともに当たる部分がよく焼けています。
よく見るとクラックが。
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集中して加熱されたために膨張と収縮を繰り返すうちに割れてしまったようです。
以前から気にしてはいたのですが、201T購入で予備機ができたので気楽に交換となりました。
新旧のパーツを比べてみると変更点があり、型番も違います。
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入口のシャッターが廃止になり、出口は小さくなっています。
試運転してみるとやはり音がずいぶん違います。
しかしクランクあたりからのカラカラ音は相変わらず…
使用時間が長いのでしょうがないですね。
そしてマフラーを外さないと掃除できない部分のゴミが半端なく、
時々外して掃除した方が良いなと改めて思いました。

抗性能

高性能林業機械というカテゴリーがある。
その代表格、イワフジCT500BS。今週の相棒だ。

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確かに造材は早い。
しかしこの垢抜けない不恰好なデザイン、居住性の悪さ、短いリーチで懐が狭い上に邪魔なスイングヤーダ。

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オペレーターが得る情報のほとんどは視覚から。
なのにこの見づらさ。スイングヤーダもブームも右側の大きいエンジンカバーも全てが視界を遮る。

林内走行台車という名称がついているのに少しの段差できわめて不安定な状態になり、不整地に侵入するのは危険だ。

そしてこのパッケージ。
プロセッサとスイングヤーダが一緒になっているが、一方が稼働中はもう一方は使えない。つまり、この機械の稼働率をいくら上げても機能別では半分にしかならない。
しかもそのもう一方が他の作業の邪魔になってしまうというおまけつき。
いろいろ出来て便利なようで、どちらも使いづらい、決して 元が取れない機械だ。
高性能ならぬ抗性能、多機能がそれぞれを打ち消しあう残念なマシンと言えるだろう。
あえてマイナス部分を書きだしてみたが、もちろん使いようによっては便利であるし、今回のような小規模皆伐でスイングヤーダは威力を発揮するし、造材は手造材と比べるべくもない。
しかし使っていてとにかくストレスが溜まるのだ。

硬化

このところMS200の調子がイマイチで、発注していた部品が手元にきたので交換した。

症状としては
1・始動後すぐにエンジンストール、ツキが悪くスローが薄いような感じだが、調整では改善しない。
2・使用中エアフィルターが少しでも汚れるとコンペンセーターの働きが強く出て燃調が薄くなりすぎる。

これはいずれもキャブレターのダイヤフラム劣化によるものだ。
メカニズムについては追々説明するとして、交換の手順を追ってみよう。

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MS200はオレンジのカバーを開ければすぐにキャブレターにアクセスできる。
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フィルターと固定ナット2つを取り外すとキャブレターがあらわになる。
キャブレターにはスロットルバルブとチョークバルブをそれぞれ操作する2本のロッドと燃料ホースがつながっているので、これらを外さなければいけない。
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まず燃料ホース。ラジオペンチなどで押し出すように抜き取るが、この時先に燃料キャップを開けてタンクの内圧を抜いてやらないと、ホースから勢い良くガソリンが噴出すことになるので注意が必要だ。

次に右側にあるスロットルロッド。
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これはキャブレター本体を持ち上げて左に押してやると抜くことが出来る。
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残った左のチョークバルブのロッドはキャブレター本体を固定ボルトから抜き取った後に外すことができる。
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取り外して洗浄したキャブレター本体。左がメタリングダイヤフラム、右がポンプダイヤフラムのカバー。
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交換用に用意したポンプダイヤフラム&ガスケットとメタリングダイヤフラム&ガスケット。
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ポンプダイヤフラムは薄いプラスチックのシートで、クランク室の気圧の脈動を利用してシートをペコペコさせ、2つのワンウェイバルブの作用で燃料をメタリングダイヤフラム側へ送り出すポンプになっている。心臓と同じ仕組みだ。
今回おそらく問題はないと思われるが、劣化していることは間違いないのでいつもメタリングとセットで交換している。

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メタリングダイヤフラムはスロー/メインジェットと直接繋がっている燃料チャンバー室の蓋になっており、燃料が消費されてチャンバー室の燃料が減るとダイヤフラムが凹んでポンプから送られる燃料経路の栓を開け、チャンバー室が燃料で満たされてダイヤフラムが膨らむと栓が閉まる構造になっている。

つまり、ダイヤフラムが劣化、硬化してくると、この栓を開ける作用がうまくいかず、燃料が欠乏気味になってエンジン不調を引き起こすことになる。

スチールコンペンセーターは、メタリングダイヤフラムの外側がエアフィルター内部とつながれていて、フィルターが汚れて空気の取入れが少なくなって気圧が下がるとダイヤフラムが凹むタイミングもそれに応じて遅くなり、燃料が濃くならない仕組みだ。
ダイヤフラムが硬化すると必要以上に燃料供給が少なくなってしまう。


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さらにこの栓がロケット型の部品、インレットニードル。先がゴムで出来ている。
これが汚れたりしていると逆に燃料の供給が止まらず、カブリ症状を引き起こす。
開けたついでにインレットニードルも洗浄しておく。右が洗浄後。先が黒くなったのが分かるだろうか?

後は逆の手順で組み付ければ作業終了、無事に調子を取り戻すことができた。
ダイヤフラム式キャブレターの基本的な手入れなので、できれば症状が出る前にこれらは定期交換するのが良いだろう。

エマルジョン

チェーンオイルを界面活性剤入り鉱物油からエマルジョンタイプに切り替えた。

機械加工では水溶性切削油が広く使われているようだ。
水を使うので、温度の上昇を抑えられる利点がある。

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まさに牛乳。

以前オレゴンからアルボロールが発売されたときには、正直ピンと来なかった。
価格面やいろいろな評判からいまいち導入する気になれないでいた。

最近はその他のオイルも値上がりし、コスト、性能ともに良さそうなヤナセ「トリプルE」を
使ってみることにした。

まだろくに使っていないのでなんともいえないが、チェンソーや衣類の汚れは少なくなりそうだ。

次世代

次世代型県産材供給システムのデモをするということで、見に行ってみた。

正直、実用には次世代までかかりそうだ。

プロセッサにカメラを取り付けて、画像から径級を割り出して衛星通信でデータを送って管理しようということで、技術的に無理な話ではない。

プロセッサのセンサーより正確に材積データを取れるというが、そんなに正確なデータがそもそも必要か?
はい積みしてしまえば今切った丸太がどの山に積まれたかまでは分からない、直売するといってもトラック単位だろうし。山土場の材積を把握するなら従来のプロセッサのデータに少し情報を付加すれば十分な気がする。

耐久性の問題。ソーカバーにカメラユニットを取り付けていたが、絶対壊れる。ソーカバーには元々分厚い鉄板のリブが付いている。それだけ過酷な部分なのだ。
そこに精密部品を取り付けるのはナンセンス。

そのほかにも突っ込みどころは多々あったのだが、根本的に欠けているのは現場目線。
作業上支障があるようでは困るのだ。

もっとシンプルに、現場目線で取り組んでもらいたい。

相棒

相棒
今回の相棒。
少々くたびれてはいるが、健気に働くかわいいやつだ。

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