日記・コラム・つぶやき

業務縮小

独立7周年、そして8年目を迎えるこの夏、業務を大幅に縮小してツリーワークの第一線から退くことにしました。

既に引き受けている仕事に関しては完了まで責任持ってクオリティが維持できるよう努めさせていただきます。

お盆以降の新規案件、特に遠方への出張に関しては対応できなくなってしまいます。

発注を見込んでいただいていたお得意様各位にはご迷惑をおかけしてしまいます。申し訳ございません。

 

マイナスの要因を挙げるとすれば自身が若手の壁になってきていると感じてしまう事が一番でしょうか。

難しい案件で頼られるのはありがたいことですが、これからの人がチャレンジしなければ育つことができなくなってしまいます。

組織の中なら一歩引いて育成にシフトすることもできます。しかし一人親方はやってなんぼですから、そこはうまくいきません。

そして近年ツリーワーク人口は急激に増えて、大勢の方々が取り組んでおられます。もちろんまだ色々あるとは思います。

多少スマートにいかなくても安全にできるのがこの技術です。

僕が居なくなってもまあ何とかなるでしょう…という状況になってきた事も事実です。

自分自身の目標というか伸びしろが無くなったというのも大きいかもしれません。

何が来ても対応できます。…なんていう自信が恐ろしいです。

 

身体は故障なくバリバリやれる状態です。バリバリだからこそ次に行けます。

登れなくなってから何か見つけようとしても遅い気もします。

 

当面、近場の仕事は細々とやる予定です。

 

そして次は何かというと小さな目標をクリアすべく一から修行です。

壮大な夢を追いかけるには残り時間が限られていますし、そんなエネルギーもありません。

すぐ手に届くところを少しずつクリアしてまた出来ることを増やしてゆこうと思います。

 

ありがとうございました!

吊り

おかげさまで昨冬から連休前まで怒涛の出張でした。疎かになってしまった家の片付けなどをして次に備える今です。

一昨年免許を取得して以来、普通はあり得ない事ですがいろんな巡り合わせでクレーン会社に所属することなくあちらこちらで時々オペレーターの仕事をしています。

若手クライマーにアドバイスしながらの伐採に始まり、土木などの現場でもクレーン屋として乗務しています。

自営業ですので全て本業です。

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ピークアウト

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チェンソーと出会ってからもうすぐ20年が経とうとしています。本格的に木登りを始めてからは10年くらい。

現場で干支二回り下の職人と一緒に作業することも珍しくなくなりました。技術的に若いもんにまだ負けてないと思いますが、自分のピークは見てしまった感があります。

木登り業界に参入する人も増えて、仕事先の若手も成長しました。若手の仕事を見てまだまだだなと思えても、それなりでも安全なのがこの技術の良いところ。

最高でなくても怪我無く安全であれば良いのです。そこにいちゃもんを付けるともう老害の始まりです。

「老兵は死なず、ただ消え去るのみ。」なんてカッコつけて消えることはまだできませんが、会社内であればマネージメントに移行して現場を若手に任せていく頃合いです。

事業は拡大しない、組織にしない…となれば持続は困難。

ぼちぼち下り階段を行く時期です。

新年

あけましておめでとうございます。

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まだ暗い早朝から車を走らせ玉置神社へ参拝、巨木群を訪ねました。

最近大木慣れしていた感もありましたが、そんな感覚は吹っ飛んでしまうような空間がそこにはありました。

なぜそうなったのか??想像力をかきたてる造形、圧倒的な大きさ、そしてピリッとした空気を感じて山頂を後にしました。


その後街まで下り、目にしたのは無惨なブツギリ。

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そうなった背景については知るよしもありませんが、神社の木だというのにカラスの群がたむろする姿は背筋が寒くなるような恐ろしい印象でした。

剪定という言葉の意味を噛みしめながら、美しい仕事をしようと改めて思う年始となりました。

いつの間にか、中心的事業となった感のある小笠原での伐採作業。

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インフラ維持のための危険木、支障木伐採です。ただしそこは世界自然遺産であることもあり、色々と通常とは違う事情があります。

伐採対象木の周辺には小笠原固有種、希少種が生育しています。それらは事前に調査、マーキングされ、傷付けないように伐採することが求められます。基本的に伐倒は出来ませんので、クレーンでの吊り伐り作業となります。

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道路から見た伐採跡です。直径80cm近いリュウキュウマツ半枯損木を伐りました。

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観光ルートでもあり、目立たない配慮もしています。

自然遺産で伐採というと外来種駆除のようなイメージを持たれることが多いのですが、そういった意図が無いわけではないにせよ、人の生活を護るための伐採で、それを丁寧にやっているだけの事です。

代表的な(国内)外来樹木はいずれも導入種、わざわざ持ち込んで植栽され野生化したものです。人の移動によってダイナミックな変化が起こっている真っ最中。

そんな人間を含めた自然を見つめながら過ごしています。

隔たり

都心暮らしも中盤、立地に反して適度にあか抜けない雰囲気を醸し出す宿のおかげもあり、息詰まることもなく過ごしています。
青山通りを歩いて現場まで。行き交う車は超が付くほどの高級車から軽トラまで様々、歩く人々も様々、しかし同じ空間に居ながら決して交わらない隔絶感。

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今までとは一味違う旅をしばし楽しみます。

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未経験の旅

この1週間、週末の地元作業を挟んで台風被害木の処理をお手伝いさせていただきました。
35t、25tラフター共吊りでの空中玉切り120cc110cmチェーンソーが届かない派手目な作業に始まり、河川を横断するクライミングアンカー、スローラインで折れ枝除去、傾いた植栽の引き起こし…バラエティーに富むメニューをこなし、移動日は雨。
天気はうまく噛み合ってくれました。

「経験がものを言う」のはその作業をやったことがあるからではなくて、やったことがなくても出来る方法がイメージできるという事なんだとあらためて思いました。

習ったことは現場で起こらない。(笑)

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倒木

台風に地震…災害が続きます。

過去に豪雨で地滑りを起こし、その時通行できなかった当事者であり復旧工事の伐採も担当した現場が再度崩れていました。アンカー工法で固めた法面がずり落ちるという見たことない状態。

近所では果樹園に隣接する林から枯れマツが倒れ込み撤去要請。
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まだ材はしっかりしていましたが強風により地上2m位から重心とは反対方向へ折れていました。
乾燥していて運ぶには軽かったです。
草刈機で跳ねないよう細かい枝までできるだけ撤去しました。

北海道の報道で隠れてしまった感のある関西でも、まだ停電が解消しなかったり手がつかない現状があるようです。
各地で復旧作業に関わる皆様の安全を願いつつ、次の現場へ向かいます。

たまには毒を吐く

先日、カチンとくる事がありました。

直接ではなく知り合いがらみのSNS上に現れた写真についてです。
「てめーらいい加減にしろよ」と毒づきたいのをグッとこらえ、遺憾の意をコメントしておきました。
 
ぼやかしてもこの記事がぼやけるだけですので、具体的にはATIのサイトにアップされている徳川義直御廟での伐採に関する写真の一枚です。あえてここには貼りませんのでアクセスしてご覧ください。

彼らは何かあるごとにバナーを広げて記念写真を撮っています。それについては何も問題ありません。(僕は苦手ですが)

しかし今回はあろうことか伐採した切株と共にそれをやっています。いわゆる「獲ったどー!」的写真になってしまっています。とても下品です。

そして、そこは墓所です…
 
 
僕も伐採を仕事にして、日々木を伐って生活しています。
伐採の時には必ずヨキをささげて祈るという人もいますが、そういう事はまずやりません。信心深くありません。
 
ただ、命をもらうという事は常に意識しています。
仕事をするたびに業を深める…次が自分の番かもしれない。
そんな気持ちです。
 
 
小僧がいきがって獲ったどーとやるのは若気の至りで済まされることもあるでしょうが、
彼らは指導者を名乗っています。
木に対する姿勢としても、彼らのスタンスはそうではないはずです。
墓所という場所柄も考えていただきたい。
 
指導者として思慮ある行動を望みます。

盗む

放置状態ですが、元気です。

僕を知る人からは林業的なイメージが強いように思います。
しかし最近は取引業者さんの多くが造園関係で、森林関係の作業は全くと言っていいほどやっていません。
一般のご依頼も個人的な知り合いやその紹介のみで、ホームページもそんなこんなで放置になってしまっています。
 
独立から4年が経とうとしています。ようやく立ち位置が定まってきたようなそうでもないような?木登り職人を名乗って、職人として主に樹上作業を担当するかたちで元請の業者さんと共に、あるいは作業全体を請負ってチームを組んで現場を進めています。
個人邸で一人庭の手入れをする事もあります。
今のところ、現場を見て断ったことはありません。
基本的に先の依頼を優先して日程を決めています。
 
専従の職員→雇いません。雇えません。
作業車両や重機→投資しません。必要な時だけレンタルします。
研修会(講師)→やりません。これは以前とは考え方が少し変わってきました。
 
 
後輩を育てるということについて。
 
森林組合に勤めていた時は班を組んでいましたし、新人育成は組織として重要な仕事でした。
一人親方となった今はそういう相手も居なくなった訳ですが、改めて感じるのは育てようとしても上手くいかないことが多い反面、伸びる人は自分で出てくるし技術を伝える機会は自ずと訪れるものだということです。出逢いですね。
 
人に伝えることは嫌いではないし自分が持っているものを出し惜しみするつもりもありません。ただ、お金をもらってあるいは不特定多数の人にそれを披露することに違和感を覚えるようになりました。
 
基本を研修で伝えることは重要な仕事ですし、そこには一朝一夕にはできないノウハウがありますから、それについては実績のある研修を紹介しています。
では基本の先はどうなのか?チェンソーカッティングもクライミングも教科書に載っていないいろんなテクニックがあります。
 
しかしあくまでそれは基本的な事を積み上げたその上にあって、微妙で感覚的な所はまさに感じるしかなく定量化できません。何度傾けるとか何センチまでなら大丈夫とか、そんな事ではなくなってきます。
 
感覚は感じるものであって教わるものではありません。
基本は信頼できる研修を受けて、その先はやって感じて考える。そうやって考えている人には必要なヒントを得る機会がやってきますし、それを自分で取りに行く人が伸びるとも言えます。
 
教えてもらおうというスタンスで何度研修を受けても仕事が出来るようにはならないでしょう。「見て覚えろ」式に反発して指導に力を入れていた過去もあります。
 
しかし結局、臨機応変が求められる現場では見て覚える、技術を盗む力が大事なのでした。

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