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寄生

このところの陽気で急激に乾燥が進んでしまったようで、保管(放置)していたアカミヤドリギの果実に傷んだものが出てきてしまいました。

ヤドリギは主にケヤキ、エノキ、ミズナラなどの大木に寄生するちょっと変わった寄生木です。自分で光合成しているので、宿主からは主に水分を吸い取り、あまり数が増えると宿主が水不足の症状で衰退します。
午後時間ができたので無事なものを庭のハナモモに試験接種しました。
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まず中の種子を取り出します。果肉部分はゴム状のベトベトで、これが柔らかいうちは種子の状態がよいのですが、乾きすぎて硬くなったものは中身が変色して枯れてしまっているようです。
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お湯で戻します。納豆並みのベトベト。じつはこのベトベトがヤドリギの大事な特徴なのです。
ヤドリギの種子は鳥が食べることで他へ運ばれます。
糞に混ざった種子が木の枝に落ちたとき、この糸引くベトベトが引っかかって枝に留まることができるのです。
今回は鳥の体内を通過したことを想定して、湿潤状態で枝に接種しました。ベトベトが硬い状態で接種すると、雨にぬれたときに膨潤して(ふやけて)落ちてしまうおそれがあると考えたからです。
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ちょっとピントが甘くて分かりづらいですけど、ピンセットの右中央付近にある種子は茶色くなっています。これは傷んでしまったものです。
他の生きている種子は濡らすと緑色になります。
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湿潤状態で果肉部分を取り去った種子は「糸」で保持することができます。
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この「糸」を芽などに引っ掛けるだけで枝に着けることができます。
鳥の場合は糞が枝に落ちるだけですから、より自然に近い形だと思います。
今回ほとんど若い枝に接種しています。
樹皮の厚いところではどう考えても着生できなさそうであるのと、去年ヤドリギ採取のときに観察したところ、着生位置や年数、その部分の断面から宿主の枝がかなり細い段階で着生しているという印象だったからです。
果実の乾燥で種子の状態が悪くなっていることから、枝の上でも過度の乾燥は避けたほうが良さそうです。
今後は発芽を楽しみに待ちたいと思います。

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