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2012年10月

硬化

このところMS200の調子がイマイチで、発注していた部品が手元にきたので交換した。

症状としては
1・始動後すぐにエンジンストール、ツキが悪くスローが薄いような感じだが、調整では改善しない。
2・使用中エアフィルターが少しでも汚れるとコンペンセーターの働きが強く出て燃調が薄くなりすぎる。

これはいずれもキャブレターのダイヤフラム劣化によるものだ。
メカニズムについては追々説明するとして、交換の手順を追ってみよう。

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MS200はオレンジのカバーを開ければすぐにキャブレターにアクセスできる。
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フィルターと固定ナット2つを取り外すとキャブレターがあらわになる。
キャブレターにはスロットルバルブとチョークバルブをそれぞれ操作する2本のロッドと燃料ホースがつながっているので、これらを外さなければいけない。
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まず燃料ホース。ラジオペンチなどで押し出すように抜き取るが、この時先に燃料キャップを開けてタンクの内圧を抜いてやらないと、ホースから勢い良くガソリンが噴出すことになるので注意が必要だ。

次に右側にあるスロットルロッド。
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これはキャブレター本体を持ち上げて左に押してやると抜くことが出来る。
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残った左のチョークバルブのロッドはキャブレター本体を固定ボルトから抜き取った後に外すことができる。
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取り外して洗浄したキャブレター本体。左がメタリングダイヤフラム、右がポンプダイヤフラムのカバー。
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交換用に用意したポンプダイヤフラム&ガスケットとメタリングダイヤフラム&ガスケット。
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ポンプダイヤフラムは薄いプラスチックのシートで、クランク室の気圧の脈動を利用してシートをペコペコさせ、2つのワンウェイバルブの作用で燃料をメタリングダイヤフラム側へ送り出すポンプになっている。心臓と同じ仕組みだ。
今回おそらく問題はないと思われるが、劣化していることは間違いないのでいつもメタリングとセットで交換している。

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メタリングダイヤフラムはスロー/メインジェットと直接繋がっている燃料チャンバー室の蓋になっており、燃料が消費されてチャンバー室の燃料が減るとダイヤフラムが凹んでポンプから送られる燃料経路の栓を開け、チャンバー室が燃料で満たされてダイヤフラムが膨らむと栓が閉まる構造になっている。

つまり、ダイヤフラムが劣化、硬化してくると、この栓を開ける作用がうまくいかず、燃料が欠乏気味になってエンジン不調を引き起こすことになる。

スチールコンペンセーターは、メタリングダイヤフラムの外側がエアフィルター内部とつながれていて、フィルターが汚れて空気の取入れが少なくなって気圧が下がるとダイヤフラムが凹むタイミングもそれに応じて遅くなり、燃料が濃くならない仕組みだ。
ダイヤフラムが硬化すると必要以上に燃料供給が少なくなってしまう。


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さらにこの栓がロケット型の部品、インレットニードル。先がゴムで出来ている。
これが汚れたりしていると逆に燃料の供給が止まらず、カブリ症状を引き起こす。
開けたついでにインレットニードルも洗浄しておく。右が洗浄後。先が黒くなったのが分かるだろうか?

後は逆の手順で組み付ければ作業終了、無事に調子を取り戻すことができた。
ダイヤフラム式キャブレターの基本的な手入れなので、できれば症状が出る前にこれらは定期交換するのが良いだろう。

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