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2010年6月

刈刃

世間では刈払機シーズン。我が班では下刈りはまずないので除伐のみ。
以前にも書いたことがあったが、今回新品の刃を買って目立てをしたので大公開。

刈刃の目立ては誰かに教わったことがなく独学試行錯誤なので、
おそらく独自の進化をしている。
現時点で最も気持ちよく伐れる刃の作り方。

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ベースはツムラの笹刈刃。
まず大まかにグラインダで形を作る。

リョービの刃研ぎグラインダ。低速で焼きが入りにくく、軽いので操作性も良い。
砥石は用途別に粒度を使い分けている。

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刃のトンガリを落とし、ソーセットでアサリを出す。

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細かい砥石に換えて背を研磨する。角度はほとんど付けず、打ち抜きのバリを取る程度。
バリには焼きが入っていて、いきなりヤスリを当てても効かない事があるので、下地作りの意味もある。

ここから手作業。

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ヤスリは平と3コーナー。そして古いギヤヘッドを利用した目立てスタンド。
グラインダは左手に刈刃、右手にグラインダの完全フリーハンドだが、
ヤスリがけはスタンドに半固定(回転はフリー)している。
ちなみに現場では刈払機に着けたままがやりやすい。

平で背を仕上げた後、3コーナーの短辺でスクイ面を研磨する。切削角は80度前後、盤に対しては45度。このくらいが鋭くしかもほとんどキックバックしないスムーズな切れ味になる。

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暗くなってしまったので投光器の明かりで。

なぜ3コーナー?
丸ヤスリではカッティングポイントの切削角が分かりづらく、曲面なので少しでも背を落とすと角度が変わってしまう。
3コーナーは平面なので角度が明確になる。すり込んでいくとクチバシ状になるが、ヤスリの角が鈍角なので欠ける心配も少ない。
それから「クチバシ具合」がピッチを揃える目安にもなる。

少々贅沢かもしれないが、刈刃をあまり使い込んだことがない。欠ければ交換、
減る前に新しい刃、目立てを試したり、目立て直しの時間より新品の値段の方が安く感じてしまって現在に至っている。

除伐の現場では一日1回か2回、軽く刃先を整える程度なので、さほど消耗しないというのもある。

命がけ

林業の現場での仕事について考えてみる。

「林業は危険な仕事だ。」
「命がけでやっている。」

良く聞くフレーズ。たしかにデスクワークよりは怪我のリスクが大きい。
しかし仕事というのは家族が生活する糧であり、稼ぐということだ。

命をかけてはいけない。

危険な仕事をしている自分にちょっとしたステータスを感じていたり、
一般人とは違うというような考えでいる人は危険だ。

自分から見た「一般の人」の多くは、自分が知らない分野での専門家であり、
彼らから見れば自分は「一般の人」である。
自分たちだけが特別ではない。林業もただの仕事だ。

家族と自分のために、健康的に継続的に稼ぐ必要がある。
そこで持続的に収入を得るためには、まず怪我をしないこと。
身体に悪影響があると分かっている事には対策をとること。

例えば防護具。
今どき、暑いからとか、うっとうしいとか言ってヘルメットを被らない人はほとんどいない。
同じように、チャプスやゴーグル、プロテクション付きの履き物なども普通に使用するようになっていくだろう。
耳栓も、着用すると声が聞こえなくて危険だとか言っている人もいるようだが、使っている人は不便を感じていない。
普通に会話できるし、頭の上でパキッと枝が折れる音も聞こえる。
耳栓、イヤマフの効用は音圧を有害でないレベルまで下げることで、着用すると音が聞こえなくなるものではない。

その他にも腰に負担をかけない身体の使い方や、適切な機械、器具の扱いなど、
身体に負担をかけないようにするポイントが沢山ある。

将来の健康を仕事に捧げるような、まして命をかけるなどということはナンセンスだ。

普通の仕事なのだから。

消火

蚊取り線香の季節だ。パワー森林香(赤箱)。

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防虫器とターボライター、フィルムケースがチャック付ポリ袋に入っている。
今回の主役はこのフィルムケース。

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中身は砂。

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砂の中に火のついた線香を差し込むと、すぐに冷却、酸欠で消火できる。
そのまま防虫器に戻し、チャック付ポリ袋に入れればにおいを気にせず、
1BOX車にも収納できる。

そして次に使用するときは無駄なく続きから点火でき、最後まで使い切れる。

Pretzel

今日の1本。

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尾根のアカマツ。真ん中あたりで幹が折れて、折れた先は崖の上。
折れた部分の下をよく見ると…

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こんな形の菓子があった。

で、肝心の伐倒計画だが。
崖の反対側は傾斜もゆるく、手前に牽引伐倒することにする。
折れた部分はかろうじて繋がっているものの、離れてしまえば先端部分は崖の空中に
取り残され、後が面倒だ。

そこで、プレッツェルの穴を通して折れた先部分にランニングボウラインでロープを
固定して牽引。

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イメージ通り、二つ折れ状態で引き込むことに成功した。

唐鍬+

「松くい虫伐倒駆除事業」

松くい被害木を伐倒、集積してシートをかけ燻蒸・殺虫する
非常に労働強度の強い作業だ。

シートの裾は地面に溝を掘って埋めなければいけない。
わが班では伝統的に植林鍬「鶴付唐鍬」を使用している。

植林鍬といっても植林の仕事は無いので、松くい専用ツールとしてアレンジしている。
一番小さいサイズの鶴付唐鍬の鶴部分を加工して、トビの形状にしている。

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左がノーマル、右がトビトンガ。

根を切りながら溝を掘るには唐鍬が適している。丸太を移動させるにはトビ。
2in1で重宝している。

クーラーボックス

ノーピクチャーだが撮るほどの物でもないので…

車の後部座席足元に、通年小型のクーラーボックスが積んである。
中身はエピペンなどの医薬品やファーストエイド用品など。

特にこれからの時期は車内が高温になりがちで、薬品などをそのまま置くのは良くない。
クーラーボックスに入れて直射日光の当たらない場所に保管していれば、車内でも安心だ。

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