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伐倒方向

「受け口を正確に伐倒方向に向ける」当たり前のように言われているが、
実際には「受け口=伐倒方向≠伐倒目標」である。
必ずしも受け口で狙ったところに木が倒れるわけではない。

正確な伐倒をする上で必要な理屈なのに、伐木のテキストにこの基本的な理論を
見つけることが出来ない。

重心と反対のツルを厚く残すとか、追い口の高さを変えるなど、
不正確で曖昧な事に終始している。

出来るだけ単純化して説明してみたい。

Ca3a0448
仮に、正確で水平、完璧に作用する受け口(ツル)が
ホワイトボードとクリアファイルの接点にあるとする。
受け口はP点に向かっている。

Ca3a0449_2
立木が垂直に立っていれば、P点に倒れる。

Ca3a0452
では赤で描いた偏心木はどうか?

正確にP点に向かう受け口を作っても、

Ca3a0453
結果はP点より右にずれて倒れる。
重心に引かれるわけでもツルがどうこうでもなく、
そういう形なのだ。

Ca3a0450
同じ受け口で実際に倒れる先はT点であるので、
逆にT点を伐倒目標とすれば、P点に向かって受け口を作らなければ
正確な伐倒は出来ない。

T点を狙って受け口を作れば、さらに右へずれて倒れる結果となってしまう。

Ca3a0451
受け口(ツル)が完全に作用したとき、
伐根から樹冠先端の真下までの距離(伐倒方向に対して90°方向)と、
伐倒方向にあるP点から伐倒目標であるT点までの距離は等しい。
同じく垂直から傾いた角度と、P点に向かう線からT点に向かう線の角度も等しい。

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コメント

だんさん、久しぶりです。
 今回は以前コメントしてもらった傾斜木の伐倒の話題ですね。

ところで!
 でき杉さんのところでダッチマンについての動画説明にコメントしてから だんさんの別コメントに気がつきました。
 む? と思って念のためダッチマンの件をベラネックさんの本でチェック。
 だんさんのコメントは伐倒での慣性に踏み込んだ解釈を入れておられましたが、ベラネックさんは文字表現での説明を回避してました。

 それぞれの見識 さすが だと思ってます。

で、でき杉さんのところでのコメントについての質問です。
 あまり深入りした質問をむこうでやるとでき杉さんが迷惑するかも知れない(^^?ので、突っ込みOKのここで続きを・・・ お願いできればと思います。

 物理的にモノを倒せる方向ってのは重心側に向かって左右90度を越えることはできないんぢゃないかと思います。
 だから だんさんの言う 「落とし込む」最初の受けはその角度内に入れておいて、実際に木が動き始め最初の受けがつぶれてから次の角度にまた「落とし込む」ようなネジ式の受けを入れる・・・ って曲芸のような事を言っておられるような気がしますが 実際のところ、この解釈であっていますでしょうか?

 あの動画のソフトダッチマンでのツルは右側がしっかり残っていましたね。

 樹種ごとの特質をしっかり体感していないと、これは相当に難しい話しになりますが、そういうレベルに達した人たちが気楽に(?)インターネット動画で秘儀を公開している時代 ある意味、怖いですね 実際のところ。

月光仮免さん、まいどです。
ベラネックさんの本の、ダッチマンについての記述意図は受け口の正しくない例としてであって、
例の動画の先生がやったソフトダッチマンとは関係がないと思います。

>物理的にモノを倒せる方向ってのは重心側に向かって左右90度を越えることはできないんぢゃないかと思います。

たしかにそうです。ツル(=旋回軸)が固定されている場合は。
例のソフトダッチマンですが…モミの木は右に傾いているわけですが、純粋に重心が右ではなく、
谷側にもかかっています。

谷側をダッチマンにすることで鋸道がつぶれて谷側にやや傾きます。
重心が谷に移動したところでつぶれたダッチマンのさらに左方向に螺旋階段状に鋸道が
作ってあるため、次々にそれがつぶれて重心が左方向に移動していく。
慣性によってそれが連続的につながっていくことも重要な要素でしょう。

谷側が沈んで旋回軸が傾いて、二つ目の鋸道がつぶれた時点から、追い口は相対的に幹を押し上げる作用をすると考えられます。
そして重心が受け口本体に来ると支えがなくなり大きく傾いていく。

という解釈です。

人間で言うと、やや前傾で右足荷重で立っていたところ、つま先の下にあった板を一枚引き抜かれる。
前のめりになりそうなところで左足のつま先が沈んで左に倒れるイメージでしょうか。

これが成功する傾き具合はとても微妙で、どれでも出来るわけではないと思います。
もちろん大きく傾いていれば絶対ムリでしょう。

むふっ♪
 すばやいレス、堪えられません(^^)
  さんくす です。

 あの先生の動画、 ワイド&ナロウ(受けのエイペックスが線でなく三角形面になる例)とダッチマンと連続してたんで、ベラネックさんの本の例題を追いかけて実施しているような印象が残りました。

 まあ、私なんざのレベルではスナイプを入れてツルを意図的に引き抜くところ あたりまでで抑えておかないと 始末に終えない結末を迎えそうな気がしてます。
 ただ、畑や公道に思い切り傾いた広葉樹が波状に重なってる里山では、あらゆる知恵を動員する必要に迫られる事例ばかりです。
 少しでも役に立ちそうなアイデア理論があれば手にとってつくづく眺めてみたくなるような(笑)
 また有用な技術をみつけたら話題に混じらせていただきたいと思います。
 よろしく!です ( ^ω^ )

たしかに大事なことなのにきちんと教えられていませんね。
っていうか多くのテキストがそもそもピンポイントに狙う、ということを前提に書かれていないような気もします。でも、言うまでも無くこれって大前提なんですよね。
狙ったところへ倒れないとその後の計画が全部狂います。倒せないと予定なんて立てられません。

わざと「単純化」して説明してくれてますが実際はかなり高度なテクニックになると思います。
例えば梢から何m下の部分を木と木の僅かな隙間に通す。幹の元から何m地点を先の伐根の横すれすれに接地させる。など目標もいろいろだから。
そうなると必要なのはきっちり受け口、追い口をつくるはもちろん、状況を確実に見極め、正しい目標点を設定できる「目測力」なんでしょうね。

ダッチマンはあれはあれですごいですね。
はっきり言って必要ない技術かも。
でも今度試してみます。だってうまくいったら絶対気持ちがいいから。(笑)
別の何かに気付くかもしれないし・・・。

オバタさん、そうなんです。
なんで誰も教えてくれないんでしょうね。
正しい受け口で正確に倒しなさいと言いながら、具体的なねらい方はノータッチ。
これってとても危険です。

実際には3次元で伐倒木の軌跡をイメージしなければいけないし、
場合によっては受け口を傾けて回転軸を変えたりするし、高度なことかもしれません。
でもまずこの基本的な理論を理解していなければはじまりません。

ツルの強度を考えていろいろやるのはその次だと思います。

 おじゃまいたしまーす(o^-^o)、yamaで~す。
「やっぱり来たか、コノヤロー」Σ(`0´*)
ですね。

> 正しい受け口で正確に倒しなさいと言いながら、具体的なねらい方はノータッチ。
これってとても危険です。

まさしく正論です。同感です。「現場で経験して学べ」と丸投げ?
それは、講師陣の力量不足なのでしょうか、それとも、わが国の教育界の体質なのでしょうか。
両方ですよね。ウンウン

> 物理的にモノを倒せる方向ってのは重心側に向かって左右90度を越えることはできないんぢゃないかと思います。

 斜面で“根曲がり”の立木に(「 j 」の字型に生えた木)
横に受け口を切って
その受け口は斜面に平行だった場合
木のウラは、ナナメ上を向いて倒れます。
重心は斜面の方向、つまり伐根より下ですよね。
しかし、倒れた方向はナナメ上。
私は伐倒をはじめて、すぐに「これは使える」と思ってしまいました。

だんさんが詳しく御解説下さった、蛇腹カットですが
蛇腹カットしたわけではないのですが、偶然に同じ状態になった事はあります。
ツルの片側が座屈したというか、コケた状態になったというのか、傾きつつある最中に片側が前方にスライドして、スイングしながら倒れました。
これを偶然ではなく、確実なテクにするトライは危険だと考えていました。
でも、蛇腹カットなら、イケルかも・・・です。
「お前の腕じゃ無理。素直にクサビ打てよ」って言われちゃうかな~。

まったく関係ないコメントで流れを切って申し訳ないですが、ちょとこの場をお借りします。

19日はありがとうございました。色々な見聞を広められて楽しかったです。
なにより皆さんの真剣な感じが凄く印象に残り、よい刺激になりました。
またどこかで会う機会があればその時はよろしくお願いします。
シェルパのように荷物を運び、温かいコーヒーをくれた方にもよろしくお伝えください。
では失礼します。


yamaさん、いらっしゃいませ。
マニアから初心者まで歓迎ですので、ご遠慮なく。
ナナメは僕も広葉樹の等高線伐倒などに多用します。
そのうちこれも記事にしたいです。

蛇腹はあまり考えないほうが良いかもしれませんね。
あの直径に対して切り込み3回とかですからね~。
先生も良く見ると一時バーをつめられてるみたいだし。リスク高すぎです。

山口さん、その節はごくろうさまでした。僕も楽しかったです。
「6年目の素人班長」と名乗る人がいるんですけど、山口さんとよく似ています。
顔も雰囲気も。またお会いしましょう。

極端な傾斜木の伐採については与作さんのブログにスチールのフォレストデモでの写真がありますね。
 タイミングを失しずっと奥歯に挟まっていたので、今更ですが、思い切って記事にしちゃいました。
 何気なく撮っているようでも写真ってのは、撮る人の力量で左右されてますんで、与作さん(西間さん)のブログは力になるような気がしてます。

月光仮免さん、フォレストデモも興味深いですね。
僕も一度レクチャーを受けてみたいんですけど、なかなか機会に恵まれません。

だんさん、またオーストラリアのエッカさんの動画ですが、フォーラムの中でこのテーマは随分長く議論が続いているみたいです。
 この動画内容は基本的にだんさんのイメージに同じなのですが、追加のサイド・ロープ・テクニックというヒカエロープを説明しようとしてコケている所が可愛い(^^)感じです。

→ http://www.youtube.com/watch?v=qe8_L-0_Fso&feature=sub

 フォーラムでの話題は2006年から延々と続いていて、英語のヤマにウンザリしてるんですが、投稿者が図イラストを混ぜているんでそれなりに勉強になるような気がしてます。

 この一連の流れのなかでオイクチ切りが伐倒方向にどういう影響をあたえるかという議論があって、面白いメンバーがこんな動画を投稿してました。

→ http://www.youtube.com/watch?v=W28q8sVJLOs&playnext_from=TL&videos=SPR7D9Tvr-4

 なんか面白い人間模様です(^^;)

月光仮免さん、この模型を作るのが面倒でホワイトボードで済ませてしまったのです。
エッカさんやりますね。一歩引いて公園で朝から1人しゃべりの図を想像してしまいました。

だにーさんのは、そこまで切っちまったらそりゃ受け口関係ないよ。って感じですが。
他の動画にもありましたけど、僕はテーパーヒンジってあんまりやりたくないんですよね。
受け口で狙う意味がなくなるというか。
ノーロープでツルが長持ちしてほしいとき、ダメモトで期待をこめて、多少厚く残したりしますけど。
せいぜいその程度のことで、シビアな状況では使わないです。

追加です。
ひかえロープのアンカーポイントは理論的にはヒンジの延長線上、エッカさんの模型で言えばチョウバンの軸の延長線上になければ緩んだり突っ張ったりします。
エッカさんのはヒンジが高い位置で水平になっているので、理想のアンカーポイントは空中にあります。
台の上では緩んでしまいますね。

実際に斜面でひかえロープを使って横向き伐倒するときは、アンカーに合わせて受け口を傾斜させることもあります。

だんさん、私のブログにEkkaさんからコメントがきて、この動画やサイドロープの話を広めてくれという事でした。
 ちょうどこの話を友達にしたところだよ とレスをいれておいたんですが、勝手にだんさんを友達扱いしてしまった(汗)
 申し訳ないけど、笑って許して♪ くださいませっ 

月光仮免さん、OKです。こちらこそ友達扱いで光栄ですよ。

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